<小学校生活>
- 2007.08.08
- エッセイ
東京の学校 転校、また転校 3年の新学期、4月 山の子供に鍛え上げられた ひと回り太くなって戻ってきた 都会のアスファルトの校庭に クラスの仲間へのおみやげは 山から戻ってすぐ 「こんなケシゴムがあったらいいなぁ」 ビルを消して、山にする もし、音のしないピストルがあったら・・・ 「この詩を読んで、山でのいじめは この詩は、職員室では噂となった こうした子がいったん怒ると手がつけられない それにしても、発想法のユニークさもさることながら どうしてこういう詩を思いつくのかと この詩は、これから自分たちが住む地球について 行政サイドに立つ大人・政治家に
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あるアンケートより
3学年のクラス担任は モットーは1人ひとりの個性を尊重 教育熱心な先生は 自分が今、やりたいことを この質問に 一度してみたいことは ・いじめについてどう思うか? これについても、ほとんどの生徒は 先生は一言 東京の教室から山の教室へ 山の子供たちは教室にはいなかったが
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授業参観 パート I
授業参観は 算数の時間 算数は苦手な和歌 自信がなかったのだろう 「ハイ!江崎さん」に 参加者はもとより 「何がそんなにおかしいの?」 |
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授業参観 パート II
対応上手、引き出し上手の先生は この問いかけに、和歌は それを見て先生は思わずニッコリ 和歌は山でのいじめの経験を切々と語り始めた 「『こんなにきれいな青い空の下でも 先生は涙、授業参観に来ている親も涙 教室は舞台となって クラスの子供たちにとって 泣いていないのは当事者の和歌だけ かわいそうどころか 思いがけず同情票をかき集め そのほとんどが男の子からだった 「オイ、和歌!和歌!」と 月に昇天しそうなかぐや姫 が、しかし、男の子たちは 子供同士のプレゼントのやり取りと 次の保護者会のテーマを提供する結果となった |
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銀ヤンマピアノ教室 初めてピアノを習う お友達がピアノを習い始めると 習いたい、「アラ!ソー」 お友達と一緒がいい!と 「はじめまして、お和歌ちゃま」 「お宅のお和歌ちゃまのおレッスンはお毎週お2回、 上から下まで品定め 「おレッスンは、おズボンはダメ! 色々に規制がうるさく 自由奔放な和歌、どうも場違いな教室へ来たようだ バカ丁寧な、耳なれない言葉、 帰り道、トンボのメガネは銀色メガネ、と歌いながら ピアノを習うこと自体には 「アラ!ソー」だった 厳しいおレッスン、生徒のわきに仁王立ち ひとたび怒ると鬼ヤンマ ところが和歌は 和歌が良ければそれで良い ピアノの発表会もせまり ある日電話が入った 「食べて、寝て、遊ぶことです」 「お宅のお和歌ちゃまは、イケナイ子ザマス 怒ったら、私を蹴るように 発表会のおアルバムを見せ お宅のお和歌ちゃまはワガママザマス おピアノの発表会当日 会場○○○スタジオ この日の晴れ舞台のために 本末転倒、誰が何のためにする発表会? 白雪姫の姫ならば ロクロク暗譜もしないで さて、いよいよ和歌の出番! 白いおドレスのお姫様は 舞台の中央でスソをつまんで持ち上げると 一方、銀ヤンマは不安でいっぱい 和歌は落ち着き払ってピアノに向かうと なんと、弾けるところだけどんどん弾いて まるで、でたらめ 上手に飛ばして続けざまに弾いたので 拍手 最後に先生と並んで深々とおじぎ 会場の誰からも見えたこの仕草 さらに過酷な運命共同体 ふってわいたこのハプニング 赤面のいたり 運動会のハードル競争を思い出す ハードルを前に ピアノの発表会もまたしかり |
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ヒヤシンスピアノ教室
銀ヤンマピアノ教室は、二月足らずで 今度はクッキーが食べられる 「アラ!ソー」だった 猛暑つづきの7月、夏の真っ盛り、うわさの教室へ 古びた木造の建物、門には十字架、玄関にはイエス様 和歌にピッタリ! 若く、色白、長身 「はじめまして、少し待っててね!」と奥へ 透明なグラス、透き通った氷 「さあ、召し上がれ」の一言は 和歌は思わずすいこまれ 「まだイケマセン!」 銀ヤンマなら、ここぞとばかりに 色んな先生がいるもんだなあ~ 見よう見まねで手を合わせ ごちそうさまは神様に 1回目は食べてお祈りして終わった ヒヤシンス先生はクリスチャン 叱ることも怒ることもなく 自責の念にかられた先生は 「ああ、神よ!こんなにかわいい姉妹に もし仮に銀ヤンマがクリスチャンならば ピアノが嫌いになって 家でのレッスン 「きれいねぇ、上手ねぇ」などと言おうものなら 「うるさい、もうヤメロ!」に 上手いとか下手ではなく そればかりか 「どうして人を許すことができない?」 宗教心も芽生え 習い始めて一年目 水を得た和歌は 先生が手塩にかけて育てはじめて丸1年 力強く、リズミカルに弾きだして
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